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各電源のCO2排出量

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日本の各電源のライフサイクルCO2排出量
本資料は、経済産業省 資源エネルギー庁の下記のwebサイトに記載されている内容の転載です。


〇 始めから終わりまで、排出するCO2のすべてを考える「ライフサイクルCO2」

CO2排出量を見ていく上で重要なのが「ライフサイクルCO2」という考え方です。CO2は、モノが工場などで製造されている時だけではなく、原材料を集めたり精製したりする時や、消費者によってモノが使用されている時、モノが廃棄される時にも排出されます。この、モノが生まれてから廃棄されるまで一連の流れのなかで排出されるCO2をすべて含めて考えよう、というのが「ライフサイクルCO2」です。
これは、環境問題を議論する際に1990年代頃から取り入れられるようになってきた、「ライフサイクルアセスメント」という考え方に基づくものです。現在では、「ISO(国際標準化機構)」が策定する、組織の環境配慮に関する国際規格「ISO14000シリーズ」のひとつを構成する規格となっています。
エネルギーに関しても、発電所が稼働しているときだけでなく、発電所が建設されてから廃棄されるまで、また燃料が採掘されてから輸送・加工というプロセスをたどり、最後に廃棄物として処理されるまで、CO2は常に排出され続けています。そのため、エネルギーのCO2排出量についてもライフサイクルで捉えてみるというのは、意味のある視点のひとつとなります。
では、今の日本の各電源(電気をつくる方法)について、それぞれのライフサイクルCO2排出量がどうなっているのかを下のグラフで見てみましょう。
      各種発電技術のライフサイクルCO2排出量
   (出典)電力中央研究所「日本における発電技術のライフサイクルCO2排出量総合評価」より抜粋

このグラフを見ると、石炭・石油・LNG(天然ガス)を使った火力発電のライフサイクルCO2は、ほかの電源と比べて高いことがわかります。石炭・石油・LNGは燃焼時にCO2を多く排出する化石燃料であることから、ライフサイクルの中でも発電時のCO2排出量が多くを占めています(上のグラフの「発電燃料燃焼〔直接〕」部分)。こうした観点から、火力発電のCO2対策は重要となることがわかります。

ただ、一方で火力発電は、太陽光や風力など天候によって変動する再生可能エネルギー(再エネ)の不安定さをおぎなっていくためには、“調整役”として欠かせないものであることを忘れてはなりません( 「再生可能エネルギー拡大に欠かせないのは『火力発電』!?」参照)。このため、資源エネルギー庁では、化石燃料から排出されるCO2を“資源”として捉え、これを分離・回収して再利用する「カーボンリサイクル」をすすめています。

これに対し、太陽光、風力、地熱などの再エネは、発電所の建設や廃棄などの過程ではCO2を排出するものの、発電時にはCO2を排出しません。同じように、原子力発電もウラン燃料の製造や発電所の建設といった過程ではCO2を排出しますが(上のグラフの「その他〔間接〕」部分)、発電時にはCO2を排出しません。日本はエネルギー資源の多くを輸入に頼っていますが、この評価では海外から運搬する際に排出されるCO2も考慮にいれており、それを含めても再エネ発電や原子力発電のライフサイクルCO2は低くおさえられていることがわかります。

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